韓国の音楽番組の視聴率が低い理由

ツウィ ジヒョ ジョンヨン K-POPニュース
ツウィ ジヒョ ジョンヨン

2016年6月8日付週刊京郷掲載の韓国のランキング制音楽番組に関するニュースの翻訳

ランキング制音楽番組 “存在の理由”

2016年6月8日 週刊京郷

5月30日KBS芸能局は当惑するような発表をした。先週放送のランキング制音楽番組”ミュージックバンク”の1位がAOA (※当時人気のガールズグループ) からTWICEに代わったという内容だった。ミュージックバンクは「27日の放送で担当者のミスでCD売上枚数集計が間違っていた」と理由を説明した。AOAが誰なのか、TWICEが誰なのか知らない人もいるだろうが、重要なのは大韓民国の公営放送のランキング制音楽番組で発表した順位を突然訂正したことにある。

公益性も視聴率も低い音楽番組

テレビ局で番組を制作する時、大まかに二つの基準を定めるという。一つは視聴率、これは広告を集める原動力になるため、企業としてのテレビ局を助ける。(※KBS2は広告を放送する) もうひとつは公益性、視聴者に必要な番組という社会的な共感を充足する要素である。これらの基準で見るとランキング制音楽番組は存在理由がない。

まず視聴率が低い。ニールセンコリアの調査によると5月27日放送のミュージックバンクの視聴率は1.4%、28日放送のMBC”SHOW! 音楽中心”の視聴率は2%、29日放送のSBS”人気歌謡”は2.6%だった。愛国歌の視聴率が3%程度 (※放送開始と放送終了前に流れる韓国の国歌)と言われるが、上記音楽番組は全てこれを下回った。

また公益性においても大きな名分はない。現在 “覆面歌王”、”デュエット歌謡祭”、”ファンタスティック デュオ”のようなコンテスト形式の音楽番組のようなランキング制音楽番組とは異なる形態の音楽番組があり、視聴率も高い。

芸能事務所とテレビ局の取引

テレビ局がランキング制音楽番組を続ける理由は何だろうか? それはランキング制音楽番組に歌手をコントロールする機能があるためである。例えば人気グループAが所属する芸能事務所がある。Aは人気が高くわざわざ音楽番組に出演する必要がないほどスケジュールは多い。しかし芸能事務所は新人を発掘し収益構造を作らなければならない。そのためには新人を売り出さなければならないが、現在の韓国には新人歌手を売り出す経路がランキング制音楽番組に限られている。

テレビ局は人気グループAのバラエティ番組出演を条件に、Aと同じ事務所の新人歌手をランキング制音楽番組出演させる。テレビ局は人気グループを自局の番組に出演させることが可能になる、事務所は新人歌手を売り出せる。これは一般の視聴者とは関係のないテレビ局と事務所の取引である。

韓国の視聴者より海外のK-POPファンを優先

また海外では韓国のランキング制音楽番組の動画ファイルを共有するK-POPファンが増え、テレビ局としてはこれを無視できない。そのためテレビ局は様々な方法でランキング制音楽番組の1位を決定する。あるテレビ局は中国からの投票可能にするなど、CD売上、音楽配信売上以外に番組ごとに様々な加算点を加える。これが本当の人気と音楽番組での人気が異なる原因である。

そして取引できる駒も、海外に広報する資金もない零細芸能事務所所属の歌手は1位を取る確率が減る。ランキング制音楽番組廃止の声は昔からあった。しかしその声は大きくなることはない。