ファン心理を利用したK-POP商法の実態

2019年1月13日

2018年12月14日付ヘラルド経済掲載のK-POP商法に関するニュースの翻訳

“ファンはATM” 誰がファン心理を利用して商売しているのか?

2018年12月14日 ヘラルド経済

アイドルグループ天上智喜The Graceの元メンバーで歌手のダナはファンを批判したことが問題化した。先月28日V-LIVE生放送中に新曲発売を要望したファンに「前作の反響が良くなかったので新曲を出せない。君たちが頑張ってチャート1位になっていたら新曲を発売出来た。君たちが悪い」とファンを批判したことに端を発した。この発言がインターネットで拡散、批判が高まるとダナは所属事務所SMエンターテインメントを通じて謝罪した。

ファンに暴言を吐くアイドル

第1世代アイドルを代表するSechs Kiesのファン70名が先月12日カン・ソンフンと個人ファンクラブHOONYWORLDを詐欺及び横領罪で告訴した。「カン・ソンフンとHOONYWORLDは今年4月Sechs Kiesデビュー20周年記念映像会で得た収益金を寄付せず横領した」とファン代表は主張した。問題はこれ以外にもHOONYWORLD運営に不満を訴えたファンを叱責する内容の書き込みが公開されれるなどカン・ソンフンに対するSechs Kiesファンの暴露が絶えないことにある。

ダナはファンが努力するのは当たり前というニュアンスの発言で顰蹙を買った。ファンを目下の人間のように叱責したカン・ソンフンの態度も批判を浴びた。ダナとカン・ソンフンは長い間ファンから愛され活動してきた芸能人、背信感も大きかった。

「好きになった方が弱者」という言葉がある。ファンも同じだ。アイドルに惜しみない声援を送るファンの愛は徐々に人質化する。これがファンに対する横暴が蔓延する理由である。

虚偽広告 ダフ屋行為 ファンは二度泣く

中学3年生のAさんは今年8月から9月にかけてフライドチキンチェーン”BBQ”のコンサートチケットプレゼントに応募するため23羽分のフライドチキンを購入した。”BBQ”の広告モデルを務めるEXOが出演するという触れ込みだった。しかしコンサートのラインナップにEXOの名前はなかった。フライドチキン一羽の価格が2万ウォンに迫る時代。両親の目を盗んで応募条件を満たしたAさんは絶望した。

コンサートチケットプレゼント期間の2か月間、BBQ加盟店の売り上げは約8%増加した。Aさんをはじめ多数のEXOファンが虚偽広告に騙された、しかしBBQは「コンサート主催者はEXOと出演交渉したが失敗した。出演ラインナップにEXOの名前を記載した広告は一部加盟店がやったこと」と責任を転嫁した。

東方神起のファンで20代の会社員Bさんは今月26日開催予定の東方神起ファンミーティングのチケット予約に失敗した。数日間キャンセル待ちしたがチケットは取れなかった。そのためSNSでファンミーティングチケットを販売するという書き込みを見るたびに心が揺れた。

チケットの違法取引は言葉通り”違法”だ。それにも関わらずダフ屋がアイドルのコンサート会場に出没、ファンを悩ませる。12日放送のKBS”ニュース9″はダフ屋の手口を暴露した。この番組によるとダフ屋は数名のアルバイトを雇いチケット予約が始まると”マクロ”を使用する。”マクロ”とは情報と自動的に繰り返し入力するプログラム。例えばチケット予約の際に必要なクリック数が5回とすると、マクロを使用することで2回に減る。これについてチケット販売会社は「闇チケットは発売後に行われる取引で、我々とは関係がない」と線を引いた。このようにチケット販売会社が対策を講じないなか、ダフ屋は大手を振って商売に勤しむ。今年8月には販売価格11万ウォンの防弾少年団のコンサートチケットを320万ウォンで販売するダフ屋まで現れた。

芸能事務所が積極的にダフ屋対策に乗り出して話題を集めたことがある。防弾少年団の所属事務所BIGHITエンターテインメントはチケット販売サイトにマクロ遮断システムを導入、さらにチケット譲渡、チケット価格つり上げ申告制度を開始した。今年10月久しぶりにメンバー全員でコンサートを開催したH.O.Tは第1次予約終了後、マクロを利用したチケットの強制キャンセル、同一住所への大量チケット発送を止め、コンサート会場で配布するように処置した。

IUのコンサートにゲスト出演したTWICE
IUのコンサートにゲスト出演したTWICE

IUの所属事務所カカオMはファンと協力して違法取引を申告したファンにコンサートチケットを提供する方針を明らかにし、違法取引撲滅のためにファンの協力を求めた。カカオMとファンは2か月間で200件以上の違法取引を摘発する成果を挙げた。

アイドルファン歴3年の30代の会社員Dさんは毎年年末になると携帯電話料金を心配する。音楽賞の有料投票制度のせいだった。投票のために訪れたサイトはファンに商業広告を見せ、物品購入を誘導する。投票権を販売する広告もある。Dさんは好きなアイドルの受賞を願う気持ちから決済と投票を繰り返す。そして前月から急増した請求書を受け取ることになる。

幸いなことに有料投票は廃止の動きが出ている。GAONチャートミュージックアワードの主催者は「現在多数の音楽賞が開催され過熱化による歌手とファンの疲労感が増し、音楽賞に必要な権威と象徴性が徐々に退色している。このような状況を招いた責任から我々も自由ではないことは分かっている。現時点での問題点を把握し、少しでも改善するためにファンの間で加熱する競争を煽るファン投票人気賞を廃止することを決定した」と発表、アイドルファンから拍手を浴びた。

ファン心を悪用した無賃労働 サポーターズ制度の問題点

一部の芸能事務所が運営する”サポーターズ”システムも問題視されている。サポーターズは芸能事務所のファン担当マネージャーとは別の概念。サポーターズはファンの自発的参加を原則に募集する。主な業務はイベントなどでファンの秩序を維持し現場を管理する、参加可能な日程は選択できる。ボランティア活動のため報酬はないがイベントが早朝まで続く場合には交通費を支給することもある。

人気アイドルのサポーターズ活動の経験がある20代のEさんは「サポーターズに参加すれば好きなアイドルが出演するイベントを観覧できる。またファンサイン会でも恩恵がある。」とサポーターズシステムの長所を挙げた。しかしサポーターズシステムはファン心を利用し無給労働させるという批判を避けられない。サポーターズシステムを運営する芸能事務所関係者にインタビューを申し込んだが「ファンクラブ管理は担当者が別にいる」と言葉を濁した。

一方でBIGHITエンターテインメントの変化が目を引く。BIGHITはかつてイベント会場でのファン管理をファンに任せていたが2016年末からこれをイベント運営会社に委託した。会場運営に問題があればBIGHITが管理するファンクラブ公式メールに報告する。

またこれまでファンが運営していたインターネットのファンコミュニティもBIGHITの人員に交代した。BIGHITは「ファンの大切な時間を犠牲にすることは防弾少年団の志向ではない」と説明した。

(翻訳終わり)

TWICEのコンサート会場の全景
TWICELAND ZONE2

サイン会、コンサートなどのチケットを入手するために代行業者を利用することも違法であったり規約違反であることは覚えておこう。